ようやく、日本でキャッシュレス決済が浸透してきているようです。私が普段利用する店舗でも、以前はクレジットカード決済のみに対応していましたが、最近になって電子マネーやPayPayなどのバーコード決済に対応しています。
この現象は私がたまたま利用する店舗で起こっている訳ではありませんw JCBが2019/7/18 に公開した「キャッシュレス決済に関する調査」からも、日本全国でキャッシュレス決済を利用・要望している消費者が多い現状と、店舗側もキャッシュレス決済を歓迎しているという結果が明らかになりました。
この記事では、JCB のキャッシュレス決済に関する調査と私の考察を紹介します。
Table of Contents
そもそもキャッシュレス決済とは?
調査内容を紹介する前に、キャッシュレス決済とは何を指しているかを説明しておきます。キャッシュレス決済とは、現金以外の支払い方法のことを指し、具体的にはクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネーなどでの支払いのことを言います。なお、ポイントカードなども現金を使っていないので、キャッシュレス決済に含まれます。
調査対象
- 日本全国の20~60代の一般消費者1000名
- 20~60代の特定職業従事者(コンビニ/居酒屋のレジ業務担当、タクシー運転手 以下:会計担当者)300名 (内訳:コンビニ/居酒屋男女各50名、タクシー100名)
調査方法
インターネットによるアンケート調査
調査時期
2019/7/3~2019/7/9
5つの驚きの調査結果
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6割の人が週に1回以上キャッシュレス決済を利用。脱現金化がそこまで!?
5人中4人は“キャッシュレス決済は現金支払いよりも便利”と回答!
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便利なキャッシュレス決済!でも、6割の人は「使うことをためらった経験あり」
ためらう理由上位「使用可否が不明」「残高の不安」、次いで「少額だと嫌がられる気がする」
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決済方法はお店選びに影響大!キャッシュレス決済が使えないと2人に1人は「来店意欲が減少」、4割は「実際に来店を取りやめた経験あり」
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店舗へのキャッシュレス決済導入が集客UPを後押し!?
会計担当者の7割が、消費者から「キャッシュレス決済の要望を受けた経験あり」
会計担当者側もキャッシュレス決済を熱望!?7割以上が導入への高い支持 -
「少額だと嫌がられるかも…」は一般消費者の思い違い!?
会計担当者の8割は「金額に関係なくキャッシュレス決済を歓迎」!
それぞれの考察をしていきます。
6割の人が週に1回以上キャッシュレス決済を利用
Q1. あなたがキャッシュレス決済を利用する頻度として最も近いものをお選びください。【n=1000】(単一回答)
(出典:キャッシュレス決済に関する調査)
このグラフで示されている通り、週に1回以上キャッシュレス決済を利用すると答えた人々は58%で、約6割にあたります。
80.7%の人がキャッシュレス決済の方が便利だと回答 – だけど…
Q2. あなたは、現金よりもキャッシュレス決済の方が便利だと思いますか。【n=1000】(単一回答)
(出典:キャッシュレス決済に関する調査)
現金とキャッシュレス決済のどちらが便利かと聞かれると、80.7%はキャッシュレスがより便利だと答えました。
ここで疑問が生じます。80.7%の人がキャッシュレス決済が便利だと思っているのに、週1回以上キャッシュレス決済を行なっている人は58%しかいないんです。不思議だと思いませんか?キャッシュレス決済の便利さを頭で分かっている人と、実際に利用している人の間には、20%以上の差があります。
キャッシュレス決済を促進する為には、この差を埋める必要があります。この20%の人々にとって、キャッシュレス決済を行うに至らない壁は何でしょうか?例え、自己破産などの金融事故を起こしていたり、高校生以下や退職者でクレジットカードを持てなかったとしても、電子マネーやデビットカード、プリペイドカードなら使うことが出来ます。これらのキャッシュレス決済すらしようと思わないのは、面倒臭いという人間の本能でしょうか?それとも電子マネーのお得さを知らないのでしょうか?Suica やモバイルSuica などの電子マネーは、クレジットチャージすることでポイントの2重取りが出来ます。電子マネーチャージにオススメのクレカはリクルートカードです。
ちなみに、プリペイドカードも、クレジットカードと併用することで、還元率が跳ね上がります。詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
クレジットカードの還元率を0.5%上げる裏技
キャッシュレス決済を躊躇う?
キャッシュレス決済を既に利用している人の内、65.8%の人は、キャッシュレス決済を躊躇った経験があると回答しました。主な4つの理由は、「使えるかどうかわからない(32.5%)」、「残高が足りるかが心配(31.3%)」、「少額だと嫌がられる気がする(28.9%)」、「使えるかどうかの確認が面倒 (28.7%)」でした。
店舗に電子マネー対応のステッカーなどの掲示がなく、使用可否が不明である、又は確認することが面倒であるという回答が61.2%にも及びます。これは明らかに店舗側のミス (あるいは現金払いへの誘導?) です。電子マネーに対応しているかどうかを確認する手間を惜しむよりも、現金払い時の手間を惜しむべきだと思います。
続いて31.3%の人が理由に挙げている、「残高が足りるかが心配」ということに関しては、解決策が2つあります。1つは、iD や QUICPay などの後払い式の電子マネーを利用することです。主に Apple Pay で利用出来る iD や QUICPay は、クレジットカードと紐づけられており、支払い金額の請求は紐付いているクレジットカードに送られます。後払い式なので、チャージの必要はありません。従って、残高を気にする必要はありません。
2つ目の解決策は、スマホに搭載可能な電子マネーを利用することです。モバイルSuica、モバイルnanaco、モバイルWAON、モバイル Edy など、各種スマートフォンに搭載可能な電子マネーが存在します。これらの電子マネーを使えば、スマホ状で残高を確認出来、少なくなった時に、クレジットチャージ出来ます。現金チャージではポイントは付きませんが、クレジットチャージならポイントが付く場合があります (チャージするクレジットカードによります。) なお、現時点では iPhone はモバイルSuica にしか対応していません。
キャッシュレスに対応していない店舗には行きたくない!
Q5. キャッシュレス決済を利用している方にお聞きします。
あなたはキャッシュレス決済が使えないとわかった店舗について、来店意欲が下がりますか 【n=758】 (単一回答)
Q6. キャッシュレス決済を利用している方にお聞きします。
あなたは、飲食店などでキャッシュレス決済が利用できないとわかって、来店をやめたことがありますか。 【n=758】 (単一回答)
(出典:キャッシュレス決済に関する調査)
53.5%の人は、キャッシュレスに対応していない店舗に行きたくない、という結果が出ました。更に、39.3%の人は、キャッシュレスに対応していない店舗への来店をやめるようです。私だけではないようですねww 店のキャッシュレス決済対応状況によって、リピート率が変化するということです。特にレストランなどの飲食店は、リピーターありきの商売なので、現金払いしか出来ないと、客がどんどん減って行くようです。時代の流れに合わせないと、潰れるでしょうね。生き残りたいなら、キャッシュレス決済への対応は必須です!
現金払いにイライラする!
Q7. あなたは店舗などで支払いをする時、前の人の現金支払いで時間がかかってしまうことに対してイライラすることがありますか。 【n=1000】 (単一回答)
(出典:キャッシュレス決済に関する調査)
70.7%の人は、現金払いの客のせいで支払いに時間がかかっていることに対して、イライラすると回答しています。特に昼休み中のレストランや朝・夕のコンビニでの支払いは、多くのサラリーマンにとって短縮したい時間なはずです。電車の時間を気にしたり、昼休みの残り時間を気にしている状態なので、前の客がモタモタ現金払いしていたら、アタマに来ますよね?時間の浪費は現金払いの最も大きなデメリットです。現金払いの客は、自分だけではなく、周りの人の時間も奪っているということを自覚すべきです。
24.3%の人は増税後のキャッシュレス還元を無視して現金払い!?
Q8. 2019年10月から開始する「キャッシュレス・消費者還元制度」で、キャッシュレス決済をした場合に「最大ポイント5%還元」になります。この制度が始まったあと、あなたは現金支払いとキャッシュレス決済(5%ポイント還元)のどちらで支払いをしていきたいと思いますか 【n=1000】 (単一回答)
(出典:キャッシュレス決済に関する調査)
75.7%は、増税後に実施予定の、「キャッシュレス・消費者還元制度」適応期間中、キャッシュレス決済をしたいと答えました。当然ですよね。2%増税後の最大ポイント5%還元は、増税のデメリットを完全に打ち消し、むしろ増税前よりもお得に買い物が出来る制度です。意味不明ですねww そこまでしないと、日本ではキャッシュレス決済は普及しないだろうという見立てなんでしょうね。
更に驚くべきことは、24.3%の人は、増税後のポイント還元政策を完全に無視して、現金で支払いをしたいと答えていることです。時間だけではなく金銭も浪費したいようです。根強い現金派を今後どうやってキャッシュレス派に転向させるかが、今後の日本の課題ですね。
コンビニ、居酒屋、タクシーのキャッシュレス決済対応状態と顧客からのキャッシュレス決済対応要請
現在のコンビニ、居酒屋、タクシーのキャッシュレス決済対応状況は以下の通りです。
一方で、顧客からのキャッシュレス決済対応要請は以下の通りです。
コンビニは一部導入を含めて、93%の店舗でキャッシュレス決済に対応しています。最もリードしていますね。元々単価が高いので加盟店手数料があまり気にならないということと、店の回転率を高める上で、キャッシュレス決済は重要な役割を果たしています。
一方で、居酒屋とタクシーは遅れていますね。居酒屋は77%、タクシーは74%の店舗でしか対応していません。そして、68.7%の店員は顧客からキャッシュレス決済の要望を受けたことがあると答えています。かなり多いですね。もういっそ、政府が全ての店舗にキャッシュレス決済導入を義務付ければ良いんじゃないでしょうか?
店員はキャッシュレスの方が楽!
Q12. あなたはお客さんが会計される際、現金支払いとキャッシュレス決済のどちらが楽ですか 【n=300】 (単一回答)
(出典:キャッシュレス決済に関する調査)
コンビニ店員の81.0%、居酒屋店員の65.0%、タクシー運転手の64.0%が、キャッシュレス決済の方が楽だと回答しています。過半数の店員は、キャッシュレス決済の方がありがたいと感じているようですね。実際、お釣りのやりとりや現金を数える作業などの時間と手間を考えると、キャッシュレス決済の方が短時間で終わります。
コンビニの場合と居酒屋やタクシーの場合で、数字が15%近く違うのは何故でしょうか?気になりますね。何か心当たりがある方は、コメント欄にお願いします!
8割の店員は少額でもキャッシュレスを歓迎!
Q13. あなたは、金額に関係なくキャッシュレス決済を利用して欲しいと思いますか 【n=300】 (単一回答)
コンビニ店員の79%、居酒屋店員の78%、タクシー運転手の76%が、「利用してほしい」と答えています。約8割ですね!
コンビニでクレジットカードを使いたがらない人に理由を聞いてみたところ、少額決済だと嫌がられるから、という理由を挙げた人がいました。しかし、今回の調査結果を見ると、少額決済でカードを使うと嫌がられるというのは、客側の勘違いであり、コンビニ、居酒屋、タクシーのそれぞれの業界において、キャッシュレス決済の方がむしろ歓迎されていることが分かりました。
そもそも、カード加盟店である店側が、カード決済を嫌がろうが、客には関係ないことです。加盟店規約により、カード決済の客と、その他の決済方法 (現金など) の客で違った待遇をすること (差別すること) は禁止されています。 カード決済されたくなければ、カード加盟店契約を解約すれば良いわけです。そして、客が来なくなって潰れれば良いわけです。加盟店手数料をケチるような運営方針では、長生き出来ないでしょう。
まとめ
この記事では、JCB が発表したキャッシュレス決済に関する調査の内容の紹介と、私の考察を書きました。世間一般で思われているよりも、日本ではキャッシュレス決済が急速に普及しており、キャッシュレス決済を日常的に使っている人も増え、店舗側にキャッシュレス決済に対応するように要請をしている人も多いようです。このまま、現金払い客が減り、キャッシュレス派が増えていけば良いなぁと思います。
(今回の調査について、私個人としては、調査に参加した「一般消費者1000名」の年齢や住所などの分布に偏りがないかが気になります。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー私はクレジットカードを40枚以上発行してきました。日本で発行されているほとんど全てのクレジットカードのポイント還元率、年会費などの情報が頭に入っています。還元率が2%以上のクレジットカードを使い、年間で30,000ポイント (=30,000 円相当) 以上貯めて、お得な生活を送っています。
そんなクレカマニアの私も、初めてクレジットカードを作った時はとても不安でした。
大学生時代にアメリカ留学が決まり、現地での買い物用にクレジットカードを発行することになった時、挫折しそうになりました。クレジットカードってどんな仕組みなのか?審査に通るかな?
ネットで色々調べましたが、あまりの情報量の多さに、面倒に感じましたが、「得をするぞ!」という強い精神力で乗り切りましたww
当時の私のように、「クレジットカードって何?」「どんな仕組みなの?」「どうやって選べば良いの?」などの様々な疑問を持っている方の助けになればと思い、当ブログを運営しています。
LINE@にて、新着記事の情報だけではなく、登録者限定で、クレジットカード選びのコンサルティングをしています。
クレジットカードって何が違うの?還元率が高いカードはどれ?などなど...
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