カテゴリー
クレジットカードの基礎

クレジットカードの利用可能枠とは?利用可能額との違いは?


「クレジットカードの利用可能枠とは何ですか?」という質問をたまに受けます。又、利用可能枠利用可能が同じものであると勘違いしている方も多いです。そこで、この記事では、利用可能枠利用可能額について、40枚以上のカードを発行してきたクレカマニアの私が解説します。クレジットカードの利用可能枠を知ることで、「カードを使おうとしたら使えなかった」という事態を避けることが出来ます。

クレジットカードの利用可能枠とは?

 利用可能枠とは、あるクレジットカードで支払いが出来る上限額のことです。クレジットカードを作った際、カードが貼ってある台紙に、以下のような表が印刷されていると思います。この表が、利用可能枠です。

(出典:https://www.jcb.co.jp/service/basic/usage/credit-limit/)

 

 この画像のカードの場合は、利用可能枠が80万円と設定されているので、このカードでは80万円までのショッピングをすることが出来ます。

利用可能枠の種類:リボ払い枠やキャッシング枠

 利用可能枠には、ざっくり分けると4種類あります。(a) ショッピング1回払い枠、(d) ショッピングリボ払い利用可能枠、(3) キャッシング枠、そして (4) 総枠です。先程の画像を元に説明します。画像中の記号を見ながらお読み下さい。

(出典:https://www.jcb.co.jp/service/basic/usage/credit-limit/)

 まず、(a) ショッピング1回払い枠とは、その名の通り、1回払いで利用出来る上限額のことです。この画像では、80万円まで利用出来ます。

 次に、(d) ショッピングリボ払い利用可能枠とは、リボ払いで利用出来る上限額のことです。1回払い枠よりも少なめに設定されている場合が多いです (カード会社によります)。

 次に、(3) キャッシング枠は、キャッシング (貸付) を利用可能な上限額のことです。カード会社によっては、日本国内でのキャッシング枠と海外キャッシング枠を別々に設定している場合があります。海外キャッシングは、現地での現金調達に便利ですが、国内キャッシングは使う場面がないと思います。

 最後に、(4) 総枠とは、ショッピング利用分とキャッシング利用分を合計して利用出来る上限額を表しています。合計というのがここでのキーワードです。よく勘違いされるのは、ショッピング1回払い枠では80万円まで、ショッピングリボ払い枠では40万円まで、そしてキャッシング枠で50万円まで、合計で170万円利用出来る、と考える方が多いですが、これは間違いです。

 ショッピング1回払いで既に80万円利用している場合、総枠の上限額に到達しているので、キャッシングを追加で利用することは出来ません。同様に、キャッシングを50万円利用している場合は、ショッピングで利用出来るのは30万円までとなります。総枠の範囲内で、それぞれ細かく利用可能枠が設定されているだけなので、総枠を超えてカードを利用することは出来ません

利用可能枠はどうやって決まる?

 クレジットカードの利用可能枠は、カード会社の審査によって決まります。審査で重視されるポイントは、雇用が安定しているか (正社員か?)、一定の年収があるか、これまでにカードや携帯電話料金の支払いに遅延がないか、などです。正社員で、上場企業に勤めており、年収が高く、支払い遅延がない場合などは、信用力が高くなり、大き目の利用可能枠を設定されます。逆に、学生や新社会人などで、年収が低い場合などは、低めの利用可能枠を設定される場合が多いです。

利用可能枠を超えて利用出来る?

 通常は出来ません。しかし、一部のネットショップなどで、商品発送のタイミングでカードに請求をかけている場合には、利用可能枠を超えて利用出来てしまう場合もあります。極めて少ないケースですので、あてにしない方が良いでしょう。

 なお、利用可能枠を超えてカードを利用しようとすると、決済出来ませんというエラーが出るはずです。店頭であってもネットショップであっても共通です。私はアメリカ留学中に、何度か利用可能枠を超えて利用しようとして、出来なかった経験があります。店頭ではなんとも恥ずかしい思いをしました。

利用可能額とは?

 一方、利用可能額とは、利用可能枠から既に利用してまだ支払いが済んでいない金額分を差し引いた金額を指します。例えば、ショッピング利用可能枠が80万円のカードで、昨日30万円利用した場合、この30万円の支払いはまだ済んで胃なので、現在の利用可能額は、80-30 = 50万円となります。

利用可能額が回復するタイミングは?

 利用可能額は、カード利用代金が銀行口座から引き落とされた時点で、引き落とされた金額分回復します。回復した利用可能額は、直ぐに利用可能になります。なお、カード会社によっては、口座振替の翌日にならないと利用可能額が回復しない場合もあります。ビューカードの場合は、口座振替の翌日に、口座振替金額分、利用可能額が回復します。

利用可能枠を増やすには?

 クレジットカードを利用していると、「利用可能枠が足りない!」という状態になる場合があると思います。クレジットカードの利用可能枠の増枠には、2種類あります。一時的な増枠と、恒久的な引き上げです。どちらの場合にも、カード会社に連絡する必要があります。カード会社によっては、アプリや会員専用サイトから申請できる場合もあれば、電話でのみ申請を受け付けている場合もあります。増枠を希望するカード会社に確認しましょう。なお、増枠にはカード会社による審査があり、審査結果によっては、希望する金額まで増枠されない場合や、全く増枠されない場合もあります

 旅行や引っ越し、結婚式の時期など、一時的に支払う金額が大きくなる場合には、利用可能枠を一時的に増枠することが出来ます。一時的な増枠の場合は、恒久的な増枠よりも審査は優しめであると言われています。

 家族が増えたり、物価が高い地域に引っ越したなどで毎月の支出が増えた為に、永続的に利用可能枠を増枠したい場合もあると思います。この場合は、恒久的な利用可能枠の引き上げを申し込みましょう。最低でも、増枠申請予定のカードを6ヶ月以上利用していることが条件になります。当然ですが、他社カードを含めて支払い遅延などががあると、否決されやすくなります。

カード会社が利用可能枠を増枠してくれる場合もある

 クレジットカードを長年利用していると、カード会社の方から利用可能枠を増枠してくれる場合があります。私自身は、オリコカード、YJカードイオンカード、ファミマTカード、JCBカードにおいて、カード申し込みの半年後あるいは1年後に増枠された経験があります。カード会社によっては、半年毎に増枠されたケースもありました。

 増枠のきっかけになったのは、利用実績だと思います。私はこれまでに40枚以上のカードを発行してきました。現在でも、40枚以上のカードを保有しています。私は発行したカードは、必ず毎月利用するようにしています。例え数百円や数千円でも、毎月利用するという行為はカード会社にとって好印象です。利用可能枠の増枠を狙っている方は、まず利用実績を積むことから始めると良いと思います。

別のカード会社のカードを作る

 「じっくりと利用実績を積んでる時間はない!今すぐに大きな買い物をする予定があるんだ!」という方は、別のカード会社のカードに申し込むことをオススメします。クレジットカードの利用可能枠は、カード会社単位で設定されている場合が多いです。

 例えば、今持っているカードの枠が30万円で、あと30万円利用可能枠を増やしたい場合、別のカード会社で利用可能枠が30万円以上のカードを作れば問題ないですよね?現在カードを持っている場合、そのカード会社の審査に通ったということは、他のカード会社の審査にも通る可能性が高いです。30万円増枠申請するよりも、30万円の限度額で別のカード会社のカードを発行した方が簡単だったりします。

上位カードを作る

 ゴールドカードプラチナカードなどの上位カードは、一般カードと比べて、利用可能枠が大きめに設定されています。そもそもの下限額が一般カードよりも高く設定されている為、上位カードに申し込むことで、利用可能枠が大きいカードを入手することが出来ます。

 例えば、三井住友カードの場合、一般カードの利用可能枠は10万円〜80万円となっていますが、ゴールドカードの場合は、50万円〜200万円になります。一般カードの場合は、どんなに利用実績を積んでも80万円までしか利用可能枠は増えませんが、ゴールドカードに切り替えることで、最大200万円まで上げることが可能です。

 私の場合、メインカードとして使い倒しているエポスプラチナカードは、エポスカードからエポスゴールドを経て、順調にランクアップしてきました。エポスカードの利用可能枠は50万円 → エポスゴールドカード 100万円 → エポスプラチナカード 300万円というように、カードランクが上がるに連れて、利用可能枠は増枠されてきました。リボ払い枠はもっと少ないですが、今のメインカードとして活躍しています。

利用可能額を増やす (回復させる) には?

 利用可能額は、口座振替日 (又はその翌日) まで待てば、自動的に吹き落された金額分回復します。「それまで待てない!」という場合には、繰上げ返済を行うことで、利用可能額の回復を早めることが出来ます。繰上げ返済には2つの方法があります。1つはATM返済で、もう1つは振り込みによる返済です。

 ATM返済は、基本的にはリボ払いを設定しているカードでのみ利用可能です。セブン銀行など対応しているATMにカードを挿入し、入金処理をすることで、入金した金額分、利用可能額が回復します。入金後数分で反映される場合が多いです。コンビニATMに対応している場合が多く、利便性が高いです。なお、エポスカードやセゾンカードなど一部カードでは、1回払いで利用した金額もATM返済出来る場合があります。詳しくは、カード会社に確認しましょう。

 繰上げ返済のもう1つの方法は、銀行振込による入金です。この場合は、カード会社が指定する銀行口座に、カード利用代金の1部又は全部を振り込むことで、振り込んだ金額分の利用可能額が回復します。この方法は手間と費用と時間がかかります。まず、カード会社のコールセンターに電話し、振込先の銀行口座の情報を聞く必要があります。そして、振込手数料はカード利用者負担になる場合が多いです (条件付きで振込手数料が無料又は割引になるネット銀行を利用することをオススメします)。更に、カード会社によっては振込入金した金額が利用可能額に反映されるまでに時間がかかる場合があります。

まとめ

 この記事では、クレジットカードの利用可能枠と利用可能額についての解説、違い、利用可能枠を増やす方法と利用可能額を回復させる方法を紹介しました。利用可能枠とは、あるカードで支払うことが出来る上限額のことで、利用可能額とは、利用可能枠から既に利用してまだ支払っていない代金を差し引いた金額のことです。

 利用可能枠を増やすには、カード会社に増枠申請をしましょう。最低でも6ヶ月以上のカード利用実績が必要です。利用可能額の回復を早めるためには、繰上げ返済を利用しましょう。

 利用可能枠を超えてのカード利用は出来ません。利用可能額を常に確認しておき、いざ店頭で利用しようとした時に、店員に「限度額を超えているようで、このカードは利用出来ません」などと言われて恥ずかしい思いをしないように気を付けましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クレジットカードランキング

私はクレジットカードを40枚以上発行してきました。日本で発行されているほとんど全てのクレジットカードのポイント還元率、年会費などの情報が頭に入っています。還元率が2%以上のクレジットカードを使い、年間で30,000ポイント (=30,000 円相当) 以上貯めて、お得な生活を送っています。

そんなクレカマニアの私も、初めてクレジットカードを作った時はとても不安でした。

大学生時代にアメリカ留学が決まり、現地での買い物用にクレジットカードを発行することになった時、挫折しそうになりました。クレジットカードってどんな仕組みなのか?審査に通るかな?

ネットで色々調べましたが、あまりの情報量の多さに、面倒に感じましたが、「得をするぞ!」という強い精神力で乗り切りましたww

当時の私のように、「クレジットカードって何?」「どんな仕組みなの?」「どうやって選べば良いの?」などの様々な疑問を持っている方の助けになればと思い、当ブログを運営しています。

LINE@にて、新着記事の情報だけではなく、登録者限定で、クレジットカード選びのコンサルティングをしています。

クレジットカードって何が違うの?還元率が高いカードはどれ?などなど...

ブログには書けない裏情報もたまに発信しています。

登録はこちら。

友だち追加

新着キャンペーン情報などをRTしているTwitterはこちら。

https://twitter.com/Credit_Card_M

関連記事

作成者: クレジットカード情報提供所管理人

クレジットカードを40枚以上発行してきたクレカマニア。クレジットカードのキャンペーン情報や、ポイント・マイル還元率を計算することが趣味。最近はエポスプラチナカードやラグジュアリーブラックカードの券面を眺めてニヤニヤしてます。クレジットカードの基礎知識、仕組み、ポイント還元率、色々なカードの使用感をレビューします。
プロフィールはこちら:
https://credit-card-mania.com/%e9%81%8b%e5%96%b6%e8%80%85%e6%83%85%e5%a0%b1/

「クレジットカードの利用可能枠とは?利用可能額との違いは?」への2件の返信

[…]  複数枚のカードを持つことで、合計の限度額を増やすことが可能です。クレジットカードには利用可能枠があります。カード申し込み時にカード会社によって決められ、カード発行後は、カードの利用状況に応じて、途上与信を行い、随時増額や減額が行われます。利用可能枠を増枠することは、簡単ではありません。利用実績を最低でも半年間は積む必要がありますし、新卒などで勤続年数が短い場合などには、利用可能枠が低めで設定されることが多いです。 […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です