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アメリカのキャッシュレス決済の実態調査 (ワシントン D.C. & ヴァージニア州編)

 2019年7月下旬〜8月上旬にかけて、ワシントンD.C. に旅行に行って来ました。現地で複数の店舗を巡り、キャッシュレス決済の実態を調査して来ました。主な調査結果は、クレジットカードが使えない店舗は0で、Apple Pay に対応していた店舗は1つ (スターバックス) だけだったこと、Apple Pay のアプリ内払い (Uber など) では日本のクレジットカードは使えなかったこと、現地の人は現金払いの客が多かったこと、2019年のレポートによると、アメリカでも現金払いの比率は約30%あること、日本の同比率は80%であるということです。

(*あくまで私個人が1週間の旅行期間中に観察した範囲での報告となります。私が訪れていない店舗でのキャッシュレス決済の実態は、この記事で紹介している報告とは異なる場合があります。ご承知下さい。)

訪れた店舗一覧

ワシントンD.C. 市内

・&pizza (ピザ屋)

・metro (電車・地下鉄)

・George Washington University 構内の飲食店: Wiseguy Pizza (ピザ屋)、chick-fil-a (ファーストフード)

 

ヴァージニア州

International Airport Dulles (ダレス国際空港) 内の

・スターバックス (Apple Pay 支払可能)

・Dulles Gourmet 2 (食料品店)

 

Reston Town Center (ショッピングセンター街) 内 の

・Clyde’s of Reston (ステーキ屋)

 

Walmart (スーパーマーケット)

店舗のキャッシュレス決済対応状況

 私が訪れた上記の店舗では、クレジットカードが使えない店は0でした。入口に VISA や MasterCard などのステッカーは貼ってありませんでしたが、どの店舗でもレジの近くにクレジットカード読み取り用の端末が置いてありました。

 ただし、アメリカのレストランでは、客は席に着いたままで、食事が終わった後で店員が伝票を持って席までやって来ます。カード払いの場合は、伝票と一緒にカードを店員に渡します。すると、店の裏側でカード決済を行なった後、カードと伝票を持って店員が戻ってくるので、カードを受け取り、チップと合計支払金額、サインを伝票に記入して店を出ます。日本のレストランのように、店の出口で会計することはありませんので、注意しましょう

Apple Pay 対応店舗は意外に少ない

 実はアメリカ国内でApple Pay を利用出来る店舗は意外に少ないです。Apple の公式ホームページ (アメリカ版) に、対応店舗のリストが載っています。殆どはチェーン店です。スタバ、マクドナルド、サブウェイなど、ファーストフード系列が多いですね。Apple Pay に対応していない店舗では、非接触型決済も利用出来ません。(非接触型決済とは、VISA の Paywave などの、コンタクトレス決済のことで、対応しているクレジットカードやiPhone、Apple Watch を端末にかざすと決済が完了する支払方法のことです。) クレジットカードが使えるので、それほど不便には感じませんが、いちいち暗証番号やサインが必要になるのが、少し面倒ですね

Apple Pay のアプリ内払いでは日本のクレカは使えない!

 今回の滞在中、ホテルから電車の駅まで距離があったので、Uber アプリでライドシェアを頻繁に使いました。Uber アプリでは、Apple Pay に登録してあるクレジットカードで支払が可能ですが、Apple Pay に登録してあったイオンカード (MasterCard) で支払おうとすると、エラーが発生!認証に失敗しましたとのこと。クレジットカード情報登録画面に切り替わりました。ここで諦めずに、再度別のApple Pay 上のカード (ラグジュアリーカード) で支払を試みました。しかし、結果は同じく失敗でした。仕方なく、イオンカードのカード情報を手入力で打ち込むと、決済が完了しました。  どうやら外国のクレジットカードで決済する場合には、Apple Pay は利用出来ず、クレジットカード情報を Uber に手動で登録する必要があるようです。ご利用予定の方はご注意下さい。

現地の人は現金払いが多い!?

 メトロ、空港内飲食店、George Washington University 構内飲食店にて、他の客の支払方法を見ていると、現地の人は現金払いが多かったです。これには驚きました。アメリカ国内でも、ワシントンD.C. はホワイトハウスやGeorge Washington University などの施設があり、その周辺にはパトカーや警察官が多く待機していました。このことから、ワシントン D.C. 市内では、治安が比較的良く (昼間)、現金を持ち歩くことにあまり抵抗がないのかも知れません

アメリカで現金払いが多いのは何故?

 気になって、少し調べてみました。日本貿易振興機構が出しているレポート (2019年4月版) によると、アメリカでも約30%の人々は現金で支払をしていて、続いてデビットカード利用者が約26%、クレジットカード利用者が約21% いるようです。また、現金払いを行なっている人々の多くは、低所得者層 (年間所得3万ドル以下 = 約330万円以下) の人々であることが分かっています。

 問題は、これらの現金払いの人々は、クレジットカードがあるのに「使わない」のか?それとも、クレジットカードを「使えない」あるいは「持てない」のか?ということです。アメリカでは、日本よりも貧富の差が激しく、特に移民の人々は高収入の職に就くことが困難です。実際、Uber やタクシー、バスの運転手や、ホテルの清掃員などの殆どは、移民の方です。ニューヨークなどの大都市へ行くと、路上で生活している人々も頻繁に見かけます。こういった人々は、経済的理由から、クレジットカードを作りたくても作れません

 しかし、年間所得が約330万円あれば、そこそこの生活は送れるのではないでしょうか?家族を養っているとギリギリの生活になるかも知れませんが、クレジットカードを持てないほどの貧困層ではないと思います。もし、クレジットカードを「使わない」という選択をしているのだとすれば、彼らの金融リテラシーが低い可能性もあります。一般的に、低所得者は高校を中退するなど、十分な教育を受けていません。理由は授業料が払えないからです。そうすると、低所得者の子供達も同様に、金銭的理由から十分な教育を受けることが出来ず、金融リテラシーが低いまま生活を送るという、負のスパイラルにはまってしまいます。このように、現金払いの人々と彼らの所得には、一定の相関関係があります

参考:日本のキャッシュレス決済利用者は僅か20%!

 先程紹介したレポート内で、日本のキャッシュレス決済比率も紹介されていました。2016年時点で、キャッシュレス決済の割合はたった20%でした!つまり、残りの80%の決済は現金払いや銀行振込で行われたということです。衝撃的な数字だと思いませんか?

 ちなみに、アメリカや中国などの他国では、キャッシュレス決済の比率は40~60%となっています。なんと、日本の2~3倍です!2019年10月からの増税に合わせて、キャッシュレス決済促進の政策を日本政府が打ち出していますが、今後どうなるかは分かりません。

まとめ

 この記事では、2019年7月下旬から8月上旬にかけて、私がワシントンD.C.を訪問し、色々な店舗を巡ってアメリカのキャッシュレス決済の実態を調査した結果と、2019年4月に日本貿易振興機構が発表した、世界のキャッシュレス決済の実態レポートから分かる、アメリカや中国などの諸外国と日本におけるキャッシュレス決済の比率を紹介し、考察しました。

 私が訪れた全ての店舗では、クレジットカードが利用可能でしたが、Apple Pay に対応している店舗はまだまだ少なかったです。また、現地の人は現金払いの客が多く、クレジットカード払いを利用する人はあまりいませんでした。

 このことは、日本貿易振興機構が発表したレポートに記載されている、アメリカ国内のキャッシュレス決済比率が30%であるという報告と合致しています。同レポートによると、日本の2016年時点でのキャッシュレス決済比率は僅か20%であり、この数字はアメリカや中国などの諸外国の数値の2分の1〜3分の1であることが分かります。

 私個人としては、今後の日本政府やカード会社によるキャッシュレス決済促進に期待しており、アメリカのようにクレジットカードが使えない店舗が0になる未来を望んでいます

 キャッシュレス決済のメリットはこちらの記事で、JCB が発表した日本のキャッシュレス決済に対する消費者・店員アンケートの結果はこちらの記事で紹介しています。

現金払いは損で、クレジットカード払いは得なのか?

キャッシュレス決済は日本に着々と浸透している!JCBの調査結果が証明
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